410周年記念バナー

永樂屋は、2025年に創業410周年を迎えました。

創業以前は、呉服商として織田信長公の御用商人を務め、当時の時代の流れの中で重要な役割を果たしておりました。その後の元和元年(1615年)、日本で本格的に綿の栽培が始まったのを機に、綿布商として新たな事業を興し、綿製品の普及に寄与してまいりました。

江戸・明治・大正・昭和・平成・令和の各時代時代を、幾度もの危機を乗り越え、都度時流を捉え綿布を商いの軸としてまさに連綿と歴史を紡ぎながら、2025年、多くの方々に支えられ私たちは創業から数えて410周年という大きな節目を迎えることが出来ました。

これからも、時代の変化に適応しながら、培ってきた知識と経験を生かし、京都から世界に向け、そして未来に向け一枚の布から文化を創造してまいります。

記念ビジュアルについて

永樂屋410周年を記念し、俳優・井浦新さんに記念ビジュアルに登場いただきました。
スカーフを身にまとった姿を通じて、410年の歩みと布の新しい魅力を表現しています。

記念スカーフについて

410周年を機に、永樂屋では所蔵する図案をもとに、
シルク生地に手描き友禅の技法を施した特別なスカーフを制作いたしました。
下絵から糊置き、彩色、金彩に至るまで、二十を超える全ての工程において、それぞれの職人が技術を尽くして制作した手描き京友禅の正絹スカーフを、俳優・井浦新さんにお召しいただきました。

伝統的な染色技術を用いて図案を新たなかたちへと展開することで、
布が持つ美しさと芸術性を、スカーフとして鮮やかに表現しています。

手描き友禅スカーフは、永樂屋の410年の歩みを背景に
「一枚の布から文化を創造する」という私たちの想いを象徴する作品です。

牧神の午後

「牧神の午後」

眠れる森の美女

「眠れる森の美女」

410周年 記念絹本作品

絹本・スカーフ

創業410周年を記念し、京都吉兆、華道家元池坊、山本太郎氏、名方亜希氏とのお取り組みに加え、
永く受け継いできた自社の図案をもとに、新たな絹本作品を発表しました。

絹本には、京友禅の染色技法を用い、下絵や彩色、金彩など各工程で職人の技を尽くしています。
書の表現を取り入れたものなど、素材や技法の異なる作品もあわせて展開し、
名作の美と布の持つ芸術性を、現代のかたちで表現しています。

【京都吉兆との作品について】

京都吉兆所蔵の上村松園《晴れ間》、与謝蕪村《筏師》、酒井抱一《菊薄図》、そして酒井抱一 他合作《団扇図諸家合作》をもとに、永樂屋の染色技法で絹本作品を制作しました。 いずれも日本美術史において貴重な芸術作品であり、その美を染めの技で布に写し取っています。

絹本筏師

絹本作品:京都吉兆所蔵 与謝蕪村『筏師』

絹本菊薄図

絹本作品:京都吉兆所蔵 酒井抱一『菊薄図』

絹本団扇図

絹本作品:京都吉兆所蔵 酒井抱一 他合作『団扇図諸家合作』

絹本晴れ間

絹本作品:京都吉兆所蔵 上村松園『晴れ間』

【華道家元池坊との作品について】

華道家元池坊所蔵の『立花図并(ならびに)砂物(すなのもの)』(第21図)をもとに、絹本作品を制作しました。
江戸時代前期に活躍した二代・池坊専好による立花を描いた図で、松を真に据え、風になびくススキが配された構成を、京友禅の染色技法で表現しています。

絹本作品:華道家元池坊所蔵『立花図并砂物』(第21図)

【山本太郎氏との作品について】

昭和7年(1932)に永樂屋が発表した図案『私は昔「モモタロウ」と云われてました』を題材に、
ニッポン画家・山本太郎氏が新たな作品を描き下ろしました。
現代的な感性で再解釈した原画をもとに、永樂屋で絹本作品を制作しました。

絹本モモタロウ

絹本作品:山本太郎『モモタロウ』

【名方亜希氏との作品について】

書家・名方亜希氏が絹本やスカーフの生地に、直接筆を入れ、
『愛』『雨』『光』の文字をしたためました。
絹本には墨を、スカーフには染料を用い、正絹の質感を生かしながら、書の力強さと繊細さをあわせ持つ作品に仕上がっています。

絹本作品:名方亜希 書『愛』

絹本雨

絹本作品:名方亜希 書『雨』

絹本光

絹本作品:名方亜希 書『光』

スカーフ雨

スカーフ作品:名方亜希 書『雨』

スカーフ愛

スカーフ作品:名方亜希 書『愛』

スカーフ光

スカーフ作品:名方亜希 書『光』

【お取り組み先・参加アーティスト】

京都吉兆

四季折々の景観が美しい京都・嵐山に本店を構える「京都吉兆」。
創業者・湯木貞一の「世界の名物、日本料理」を信条に、日本の食材にこだわり、厳選した季節の料理、器、空間、サービスなど、五感で味わう日本料理を提供しています。

お客様に合わせた心づくしのおもてなしは、”いつまでも記憶に残るひととき”お届けしたいと願う、
三代目・徳岡邦夫のお客様への思い。
また、日本の食文化を世界にも広めるため、国賓へのおもてなしや海外でのイベント参加にも積極的に取り組んでいます。

京都に3店舗、名古屋にも店舗があり、地域の特性を生かした料理とおもてなしでお客様をお迎えしております。


華道家元池坊

池坊は仏前に供える花をいけること(仏前供花)に長け、その技は仏教の教えと共に伝承され、室町時代後期には池坊専応が「花をいけることは悟りに通じる」とする華道の理念を確立し、花をいける行為を精神性の高い「道」へと昇華させた。

江戸時代には池坊専好(二代)による立花が宮廷文化で人気を博し、武家や庶民にも広まっていく。明治時代になると華道が女子教育に取り入れられ、昭和時代には国内外に支部が広がり、日本全国に約400支部、世界各国に約100支部が設立される。

現代においては、華道家元四十五世 池坊専永は世界各地で華道の普及に努め、伝統的ないけばなだけでなく、時代に適応した花形「生花新風体(1977年)」「立花新風体(1999年)」を発表。また他分野とのコラボレーション等も試み、日本の伝統的美感を国内外に発信し続けている。


YamamotoTarosama

山本太郎氏

1974年熊本生まれ。2000年京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)卒業。京都美術工芸大学特任教授。

1999年に日本画ならぬ「ニッポン画」を提唱。日本の古典絵画と現代の風俗が融合した絵画を描き始める。その作風は現代の琳派とも評される。近年は浮世絵をポップアートをカラーイングで再構成した「NEO UKIYOE」という新しいシリーズに挑戦し、シルクスクリーンの作品も制作している。2015年 京都府文化賞奨励賞受賞。


NakataAkisama

名方亜希氏

5歳より書を始める。同志社女子大学卒、大阪府豊中市にて照華書道教室開設、幼児、子供向けグループレッスン、 障害児向けプライベートレッスンなど書の指導を行う。2022年より大河ドラマ「軍師官兵衛」題字揮毫などでも知られる書家 祥洲氏に師事。

伝統的表現を基盤とした漢字・仮名、そして現代美術まで 幅広いジャンルを学び、本格的に書家として活動を始める。以降、企業、伝統工芸、アパレルブランド、命名書、インテリア書など作品を提供 個展やグループ展を中心に活動。国内外の展覧会やグループ展に活動の場を広げ積極的に制作を続けている。


【永樂屋オリジナル作品について】

永樂屋が410年の歴史の中で受け継いできた自社の図案をもとに、
手ぬぐい「舞妓さんの四季」「マイコ・ロード」をはじめ、
ブランド「ディアギレフ&マレ」の流れを汲むスカーフ作品などを制作しました。

また、永樂屋当主・細辻家に伝わる掛け軸『六瓢之図』をもとに、絹本として新たに制作しました。
この掛け軸は、十代細辻伊兵衛が母の喜寿を祝して、上村松園、秋野不矩、伊藤小坡、三谷十糸子、森川青坡、梶原緋佐子(いずれも敬称略)に瓢箪の絵を依頼したもので、六つの瓢箪に「無病息災」の願いを込めた、縁起のよい意匠です。

シルク生地に手描き京友禅の技を加え、染めの美しさを際立たせた作品に仕上げています。

絹本舞妓さんの四季

絹本作品:『舞妓さんの四季』

絹本マイコ・ロード

絹本作品:『マイコ・ロード』

絹本六瓢之図

絹本作品:上村松園他合作『六瓢之図』

シルクスカーフ牧神の午後

スカーフ作品:『牧神の午後』を踊るニジンスキー

スカーフ眠れる森の美女

スカーフ作品:『眠れる森の美女』

【スカーフ】ジョルジュ・バルビエによって描かれたバレエ・リュス作品場面

スカーフ作品:ジョルジュ・バルビエによって描かれたバレエ・リュス作品場面

スカーフ『レ・シルフィード』を踊るアンナ・パヴロワ

スカーフ作品:『レ・シルフィード』を踊るアンナ・パヴロワ

【手ぬぐいについて】

絹本作品の制作を契機として、
永樂屋ではその中から厳選した意匠をもとに、新たに手ぬぐいを制作いたしました。
今回の記念手ぬぐいは、以下の六柄です。

  • 与謝蕪村『筏師』
  • 酒井抱一『菊薄図』
  • 酒井抱一他合作『団扇図諸家合作』
  • 上村松園『晴れ間』
  • 山本太郎『モモタロウ』
  • 上村松園他合作『六瓢之図』

410周年の節目に合わせ、染色から仕上げまで一枚一枚丁寧に制作しました。
いずれも、名画の魅力を染めで表現した手ぬぐいです。
これらの手ぬぐいは、永樂屋オンラインショップおよび店頭にて順次販売を予定しております。

410周年ロゴについて

「410」のロゴは、当社の手ぬぐいのサイズ比率をそのまま活かし、デザインしました。黒い長方形のひとつひとつが手ぬぐいの縦横比を反映しており、永樂屋の歴史と伝統を象徴しています。410年の歩みを大切にしながら、これからも受け継がれる職人の技とともに、新たな時代へと進んでいきます。

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